ただいま子育て真っ最中! 農業女子に聞く
農業の“いいとこ”“おもしろいとこ”

子育てしながら農業する魅力をお伝えしてきた
「農業女子プロジェクト×tocotoco」。
最終回は千葉県一宮町で露地野菜を栽培をしている、
ふたりのお母さんに農業の楽しさを教えてもらいました。
 




 

編集部(以下編):おふたりの関係を教えてください。

齋藤(以下齋):私は2015年2月から1年間、竹川さんの農園で研修をして、独立したばかりです。
竹川(以下竹):うちでは住みこみの研修生が多いですが、齋藤さんは近所だったので通っていました。

編:お母さん同士でもありますね。

:そうですね。でも会えば仕事の話ばかりになっちゃうけど(笑)。

編:就農したきっかけは?

:もともと東京の映像編集の会社で7年働いていました。でも朝から晩までパソコンに向かい、季節感なく生きていることを疑問に思い始めて……。ある日スーパーで“モノ”のように陳列されている野菜に違和感を感じて、有機野菜の宅配を取り始めました。すると体の調子がすごく良くなったことに感動して、その農家さんに一週間泊まりこみで訪ねたのがきっかけです。東京から静岡に移住し、就農されたご夫婦を目の当たりにしたことで、これからの私の進むべき道が見えたんです。
:私は会社員時代から、なんとなく安全なもの、おいしいものを食べたいと思い続けていました。実家の東京・目黒から結婚を機に千葉に移住して、気持ちが農業に傾きましたが、なかなかきっかけがなくて……。ふたりめが生まれて落ち着いたころに、竹川さんの農園「さいのね畑」のチラシを見て、自分が描いている夢を実際にやっている人がいると驚きました。チラシを見てからは早かったです。「子どもがいるから」と、自分の夢だった農業をあきらめたくないと思って、「さいのね畑」の研修生になりました。
:最初は旦那さんと一緒にやりたかったんだよね?
:そうだったんですが、今は人手が足りなくなったら人を雇うぐらいの決意でやっています。夫は会社員で、子どもの保育園の送迎もしてくれて助かっています。

編:子育てによい影響はありますか?

:子どもって畑が好きなんですよ。平日は保育園、休日に動物園に行ってしばらく畑に行かないと「行きたい!」って言い出します。
:畑は子どもにいいよね。勝手に遊びを見つけていますから。葉っぱを見ただけで、自然と野菜の種類がわかるようになりました。スーパーにパッキングされて並んでいる野菜がどうやって作られるのかを種から知ることができるのは、子どもの成長にとってプラスだと思います。
:生活しているだけで、そういう知識が自然と身に付いているよね。「雨が降って良かったね、お野菜が喜ぶね」とか、逆に「早くお天気になるといいね」という言葉が当たり前に出てきます。種から芽が出る喜び、にわとりなら卵が生まれる喜び、最後はお肉としていただくことへの感謝……。命をいただく大切さが学べます。だから簡単に何かを捨てたり買ったりするようなことがなくなりました。
:遊んでいる中でも親の言っていることを聞いているから、感心するよね。
:この間は「害虫潰しておいたよ!」なんて言われてびっくりしました。
:野菜を引っこ抜いて、そのまま食べていることもあります。「あ、それ売り物……」ってなる時もあるけど(笑)。
:環境もいいよね。家が都会より広いから、子どもがのびのびできる。
:この地域は保育園に入りやすいし、融通も効くのでその点もいいですね。

編:農家のこんなところがおもしろい、やめられないということはありますか。

:それはいっぱいあるよね(笑)。
:あるある!
:自分たちが食べたい野菜を全部作って食べているから、豊かな気持ちになれます。それに、屋外で働く気持ちよさっていうのはなかなか他の仕事では得られないと思うんです。
:意外とすごく「寒い」とか「暑い」といった時期は短くて、気持ちよい日の方が多いんですよ。
:そうだよね。畑にいると、季節は春夏秋冬だけじゃないと感じずにはいられません。光の加減や湿度は毎日違うし、変化があるから飽きないです。
:それは私も農家になって、すごく感じるところです。かえるの声や、木々の香りなど、今までなぜ知らなかったんだろうと感動の連続。「いま、私は生きてる!」って心の底から思います。
:それをお客さんにも感じて欲しいから、畑の空気を感じられる野菜を送りたい。すると、その反応が返ってくるから、やりがいはすごくあります。
:台風や長雨もあり「自然相手とはこういうことか」と思うこともあるけど、手をかけた分だけ返ってくるのは子育てと同じ。大変なこともあるけど、それ以上の魅力があるんですよ。

編:おふたりのはじける笑顔から農業と子育ての楽しさが伝わりました。

 
 




 
 
 
写真○高橋しのの